平成30年2月

ならぬことはならぬものです 〜会津藩の幼年者向け教え「什の掟」から〜

       校長 奥脇 千鶴子 

暦の上では「春」が始まる月ですが、まだ寒さの厳しい毎日が続きます。特に今年は例年にない厳しい寒波に見舞われ、校庭のあちこちに、まだたくさんの雪が残っています。2月を旧暦で「如月(きさらぎ)」というのは、着物をたくさん重ね着する「衣更着」に由来することのようです。春遠からじ、と実感する日が待ち遠しい今日この頃です。

さて、今から215年前の1803年。先月2年生が自然の教室で訪れた福島県会津若松市、当時の会津藩は、浅間山麓の噴火がもたらした天明の飢饉を経て、改革は人材育成からと、藩校日新館を創設しました。さらに地域を区分けし、藩校入学前の子どもたちに10人ほどの小グループ「什」を作らせました。「什の掟(じゅうのおきて)」は7か条から成り、各人が守れたか年長の什長を中心に毎日反省会が行われました。冒頭の「ならぬことはならぬものです」は、その条文を厳しく締めくくる言葉です。

いよいよ3年生は、1ヶ月後の3月1日、2日に公立高校の受検となります。すでに私立高校に合格し進路が決まっている生徒もいますが、公立高校が第一希望の生徒も多くいます。本校も最後まで力が出し切れる雰囲気と場づくりをしていきます。限られた時間の中ではありますが、体調管理をしっかりとして、勇気と英知を振り絞り最善を尽くして本番を迎えてほしいと思います。1、2年生も締めくくりの時期を迎えます。会津の心に学び、自分に厳しく、しっかりと進級の準備をしましょう。



1月に読んだ本

@   「おはなしのもうふ」フェリーダ・ウルフ ハリエット・メイ・サヴィッツ 作 エレナ・オドリオゾーラ

さくま ゆみこ 光村教育図書 【3学期始業式で】

村の子どもたちは「おはなしのもうふ」の上に座ってザラおばあちゃんのお話を聞くのが大好き。ところがその毛糸の毛布はどんどん小さくなっていきます。一方、村の人たちの所へは暖かいプレゼントが次々に届きます。おばあちゃんが周りの人を気遣ってたくさんの人に愛を配り、人々はおばあちゃんに気持ちをお返しする。寒い冬に、読んで温かくなる一冊です。始業式では『他の人のために何かできないか』と考え、行動できる一年にしようという話をしました。

A   「ボッコちゃん」より『よごれている本』星 新一 作・新潮文庫        【朝読書の時間に】

古本屋で悪魔を呼び出す方法が書かれた本を見つけたエヌ氏は、古ぼけた雰囲気が気に入って購入します。エヌ氏が本に書かれた通りに儀式を執り行ってみると、なんと実際に悪魔が現れて……。エヌ氏の行方は?

B   「秋田の民話」より『鬼の石段』松谷みよ子・編・未來社  【本とのコラボ給食 秋田の郷土料理】

 
2000年前、漢の武帝が5匹のコウモリを連れて男鹿にやってきました。コウモリは鬼に変わり武帝は家来として使いましたが、1年に一度正月を休みにさせました。鬼たちは大喜びして里へ降り、作物や家畜を奪って大暴れ。ついには里の娘までさらっていくようになってしまいます。困った村人たちは、一夜で千段の石段を築くことができれば1年に一人ずつ娘を差しだすが、もしできない時には二度と里に降りてこない、という賭けをしました。鬼たちは精魂を尽くして積み上げ、あと一段!というところで「コケコッコー」と一番鶏の鳴き声。鬼たちはあきらめて、約束どおり山奥へと立ち去りました。この鳴き声は、モノマネ上手な村人が石段完成を阻むために鳴き真似をしたのでした。鬼が来なくなって何か心寂しく感じた村人たちが、年に一度正月15日に鬼の真似をして村中を回り歩くようになったのが、あのナマハゲの始まりだと言われています。

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